所謂泣きメロというものは「湿度の違い」で大きく3種類に大別されると、俺は常々考えている。
まず日本人の感性に最もマッチする「哀愁系」。
3つの泣きメロの中で一番多湿であり、概して単純な上昇下降のメロディ&コード進行、ゆったりとした符割り、美しいヴィブラートが肝、といった特徴を伴う。日本に限らず世界各国で最も需要と供給の高い泣きメロであり、ルンバやシャンソン、あと中国系の泣きメロあたりがこれに当て嵌まる。国内メタルシーンをざっと見渡しても哀愁系を武器にしたバンド様がダントツで一番多いと思う。
哀愁系より湿度が低い泣きメロが「慟哭系」。
所謂ダーク路線で、哀愁系と比べ音数が多くメロディラインやコード進行は単純上昇下降型に対し「セパレート型」である事が多い。バッハを筆頭にゲルマン系のテキパキした感じのラインやショパンの埋葬曲の様な重く引きずる感じの音楽、あるいは北欧のメロデスバンドが得意とする泣きメロは慟哭系だ。日本で言えば軍歌などは慟哭系にあたり、総じて荘厳というイメージがつきまとう。
そして最も乾燥した泣きメロが「嘶叫(せいきょう)系」。
極力激しく展開しないコード進行にペンタトニック主体のメロが乗る素朴な野性の嘶(いなな)き、といった感じ。南北アメリカ及びアフリカ大陸の泣きメロの感性はこの嘶叫系だし、「同じアルバムでもアメリカと日本とではシングルカットされる曲が違う」というのは要するに哀愁系VS嘶叫系みたいな事なんじゃないかと思う。因みに余談だが嘶叫という単語は国語辞典には載っていないので、中国の言い回しかと思われる(漢和辞典には載っている)
さて、それを踏まえた上でFreaksxxの楽曲群を上記3つにカテゴライズするとどうなるか?
それはこの記事を読んでいるアナタ自身の手で行ってみてほしい。きっと面白い結果が得られるだろう。
by 越智
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